腎系統は、腎・命門(めいもん)・膀胱・骨髄・耳竅(じきょう)および所属する経絡から構成される。
生理機能の最大特徴は、蔵精と主水の二つ。
つまり、精を蔵することと、水を主(つかさど)る機能である。この主水の機能というのは、水を蒸騰によって気化する作用であり、水が気となることによってはじめて運行し、機能を発揮するもので、体内の水分調節作用(必要な水分保持と廃水の体外への排出)を発揮する。
精とは、元気を化成する物質的基礎であり、また陰血を生化する源泉でもあり、生殖作用にも直結した生命の根本である。このように体内では最も重要な物質であるから、封蔵固蜜(ふうぞうこみつ)であるべきで、蔵して泄(もら)さないのがよい。
腎の機能を要約すれば、蔵精と気化という生理的特徴を反映するものである。それゆえ、腎の機能を「蔵化」という言葉に概括される。