発病原因
発病原因は外邪の侵襲と内傷の二つに分けられる。
外邪の侵襲では、
(1)寒邪を表から受けて(皮毛から腠理に入った後に)少陽三焦を通じて腎に流入する。つまり表から裏に入る。
(2)温熱の邪気が上から下に入る。つまり、少陽三焦を通って上焦の肺系統から下焦の腎系統へ伝入する。
(3)疫毒の邪気が下から上へ入る。つまり、邪気が溺竅を侵淫して前陰から腎に上行し、腑病及臓し、膀胱から腎に波及する。
この三つのルートがある。
内傷によるものは、当然多くは虚証である。セックス過剰による真陰虧損あるいは先天的不足、老衰による腎陰や腎陽の虚損など。
次に、よくみられる現象として他臓の病変が腎に波及することである。
「五臓の傷は、極まれば必ず腎に及ぶ」と張景岳が述べているように、五臓の病変は究極的には腎に波及するのである。