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氷伏には広義の氷伏と、狭義の氷伏があるように思われる。 広義の氷伏として、寒涼薬の過剰投与によって気血を凝滞させて様々な虚証を誘発するもの。つまり実によって虚を生じるケース。 狭義の氷伏は、寒涼薬の過剰投与によって熱邪を一部に閉じ込めてしまう。 こうなるとこれまで順調に効果が得られたものが、突然のように効果を失って、 前者の場合では、様々な変証が出現する。 後者の場合では、いくら継続服用してもまったく効果を示さずに次第に漢方薬服用以前の病状に戻っていってしまう。 現代社会では、アトピー性皮膚炎における寒涼の方剤、たとえば黄連解毒湯や白虎湯系列の方剤の過剰投与で、しばしばみられる。 氷伏を防ぐには、もっとも適切なのが気血の凝滞を防ぐ桂枝であると考えられるが、ときにアトピーには逆効果になる場合もあり得る。 その人の状況に応じた適切な活血化瘀薬の併用が必要であり、常に体内に流通する気血津液の盈虧通滞に問題が生じないよう、細心の弁証論治と方剤および配合薬の選択および配合バランスに注意が必要である。 それゆえ、寒涼の方剤使用時のみならず、どういう状況であっても常に気血津液の通調に留意が必要なのは中医学の基本中の基本なのである。 参考文献:「氷伏」の出典を調べてきたこと
by cyuigaku
| 2007-08-14 08:11
| 中医漢方薬学
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